先進的な
システムの導入
1969年、どこよりも早かった
コンピューターの導入
創立以来、会員制の「エスカイヤクラブ」をはじめとする業態を通じて、常に先進的なサービスと品質向上を追求してきた当社。なかでも、社内外における「システム改革」は、時代の要請に先んじて挑戦し続けてきた領域であり、顧客満足度の最大化と業務の効率化を両立するための根幹として重要な役割を果たしてきたといえます。
情報化社会の幕開けを感じさせる1960年代後半、当社は業務効率化の可能性に着目し、1969年には早くも、本社に汎用コンピューターを導入したのです。手作業に依存していた各種管理業務を機械化し、精度と速度の向上が図られました。
これは外食・サービス業界はもとより、他業界においてもコンピューターの導入は珍しく、社外からも注目を集めたのです。その先駆的な取り組みは、社内全体の意識改革にもつながっていきました。


業界に先駆けたコンピューターの導入で、経営の近代化をはじめ、
積極的な業態開発や業務の合理化が進んだ
オンラインによる管理体制で
全国ネットワークを構築
英国にヒントを得て、パブ形態の店舗の先駆けとなった大衆酒場「グランドパブ」。その全店に1974年、POS(販売時点情報管理)ターミナルを導入しました。これにより売上データを即時に集計・分析できるようになり、店舗運営の可視化が実現したのです。
さらに同年、通常キープした店でしか飲めないといったキープボトル文化における課題を解決すべく、ボトルの残量が瞬時にわかるコンピューターと連動させた計量器の開発に着手。顧客の満足と信頼を獲得する管理体制を整え始めました。
1976年、エスカイヤクラブ全店に酒類の自動計量器を導入し、世界初となる「オンライン・キープボトル・システム」が本格的に始動しました。さらにグランドパブ全店およびパブロイヤル全店との間でもボトル情報のオンライン交流を開始。顧客がどの店舗を訪れても同一ボトルを利用できる「顧客中心の一元管理」を実現したのです。
こうしたオンラインによる運営ノウハウを活かし、1978年には札幌から鹿児島までの全店舗をオンラインで接続し、全国ネットワークを構築。この通信基盤により、地域を超えた情報のリアルタイム共有が可能になりました。
翌1979年には、オンラインボトルの品質と安全性を守るために専用ボトルキャップ「ダイワ・キャップ」を開発。物理的な管理体制とシステムとの統合を進めました。1980年にはこの計量器システムに関する特許も取得しています。
さらに1982年には、公衆回線を活用したオンライン伝送ネットワークを整備。専用線ではなく一般の回線を利用することで、大規模なインフラ投資を抑えつつ、高度なデータ通信体制を築き上げました。

オンライン・キープボトル・システムの導入は、
全国展開に一層拍車をかけることになった
ハード・ソフト両面のアップグレードで
業務を高速化
1980年代後半、企業の情報化が進む中、当社も全社的なOA化に着手。1987年には全社員が端末機を使う業務体制へと移行し、紙ベースの業務からの脱却を図りました。
同年には、店舗にも新型POSを一斉導入。販売データの収集・分析精度が一層高まり、現場と本部の連携が強化されていきました。
さらに、POSシステムは日進月歩の勢いで進化しており、1996年と2009年の2度にわたって、全店舗に新型POSシステムを導入。技術革新に合わせてハード・ソフトの両面を刷新し、インターフェースの使いやすさと集計処理の高速化を実現しているのです。
次代を見据えたデジタル戦略による
革新に挑む
2009年には、全店舗に業務用パソコンを導入しました。これにより、店舗ごとの書類作成や本部との電子的なデータ共有が可能となり、業務の生産性が飛躍的に向上。多店舗展開を支えるシステム基盤がさらに強固になったといえます。
2010年4月には受発注システムを導入することで、食材や消耗品の発注業務を自動化。在庫状況に基づいた効率的な管理が可能となりました。同年10月には会計システムを変更し、会計処理の精度と監査対応力を高めました。
これらの統合は、経営判断の迅速化にも寄与し、業績管理の透明性とスピードを飛躍的に高める成果をもたらしたのです。
2013年10月には、エスカイヤクラブに新型の計量器を導入。キープボトル・サービスにおいて最も重要な要素である「残量の精密管理」において、新技術を反映した最新モデルが稼動開始しました。
2014年4月、本社における稟議書の決裁フローにワークフローシステムを導入しています。紙による申請・承認のプロセスをデジタル化し、申請から決裁までのリードタイムを大幅に短縮。意思決定のスピード向上が全社に波及し、経営の機動性が格段に向上したのです。
以上のように、当社は50年以上にわたり、時代ごとに最適な技術を選定・導入し、常に現場のニーズと経営目標を結びつけるかたちで「システム改革」を推進してきました。その根底には、単なる業務の効率化ではなく、「お客様により良いサービスを提供するために、現場がより快適に働ける仕組みをつくる」という思想が貫かれています。
今後も新技術を柔軟に取り入れながら、次の10年、20年を見据えたデジタル戦略により自己革新に挑み続けます。